FP1級おじさんの日記

税理士を目指すFPおじさんの奮闘記

法人成りの実務注意点⑤

会計実務編

こんにちは。FPおじさんです。(^^♪

 

今回は、法人成り(会社設立)に伴い、個人事業用資産を法人へどのようにして引き継ぐのか解説していきます。非常に難しいテーマですが、結論を知ってしまえば意外と簡単です。(笑)引き継ぐ方法としては、下記2つの方法があります。

  1. 金銭出資で法人を設立し個人事業用資産を法人へ売却、贈与、賃貸する方法
  2. 現物出資で法人を設立し個人事業用資産を移転させる方法

 

上記方法のうち、どの方法を選択するのかは、税理士の先生へ相談するのがベストだと思います。今回は、FPおじさんがベストだと考える方法を解説します。責任は負えませんので一案としてご覧ください。

 

FPおじさんがベストだと考える方法は、金銭出資で法人を設立し個人事業用資産を法人へ売却する方法です。金銭出資では、会社と個人の事業用資産の売買金額の決定に融通がきくため、譲渡所得の所得税課税を生じないように調整することができます。

 

税法では原則売却となると時価で行うものとされています。ただし、所得税法人税でいう時価といっても実際のところ法人成りの際に時価を適正に判断できないものがほとんどです。(土地については公示価格、路線価、固定資産税評価額、不動産鑑定士の鑑定評価など色々な価格が存在します。)


したがって、土地以外の資産についての多くは簿価を時価として売却してよいものと考えます。(税務署との見解の相違があるリスクは残ります。)これで個人の譲渡所得も発生しません。

 

なお、土地は購入してから中小企業では減損会計など行っておらず、使用・時の経過も考慮されておらず価格も大きいので、土地を所有している場合は、売却ではなく、借地権の設定で実質的に会社が土地を使用できる状態にした方が良いかもしれません。

 

建物を法人へ売却し土地に借地権を設定して個人から法人へ賃貸した場合、借地権の認定課税の問題が発生しますが、「土地の無償返還に関する届出書」で対処します。このスキームは難易度が非常に高いため税理士の先生へ必ずご相談ください。

 

f:id:FP1nakagawa:20190726194500j:plain