【入門】相続税申告に必要な関係書類一覧④(金融機関編)
相続税法実務編
こんにちは。FPおじさんです。(^^♪
前回に続き、相続税申告に必要な関係書類について解説していきます。今回は、金融機関(銀行・証券会社・保険会社)で収集する関係書類について解説していきます。ちなみに、専門家である司法書士や行政書士の先生へ依頼すれば面倒な手間はかかりません。
〈銀行等で収集する関係書類〉
- 預金残高証明書(相続開始時)
- 既経過利息証明書(定期性預金)
- 過去3~5年分の取引明細書(被相続人)
- 建物更生共済の解約返戻金相当額等証明書
なお、取引明細書については、過去の通帳を全て保管している場合は不要です。また、依頼した税理士の先生によっては、相続人の取引明細書も収集するように依頼される場合があります。
〈証券会社で収集する関係書類〉
- 証券預り証明書(残高証明書)
なお、上場株式の評価で必要な相続開始時、および相続開始時を含む過去3ヵ月分の各月の平均終値単価の情報を併せて申請するようにしてください。
〈保険会社等で収集する関係書類〉
- 生命保険金支払通知書
- 解約返戻金相当額等証明書
- 保険給付金支給決定通知書(入院給付金・手術給付金)
- 高額療養費支給決定通知書
以上、全4回にわたり相続税申告に必要な関係書類一覧を解説しました。膨大な書類を相続開始時から10ヵ月以内に収集して相続税申告書を作成するのは、非常に大変な作業になります。
専門家の立場からすれば、費用(コスト)はかかりますが丸投げして依頼していただくのが良いかと思います。その際、相続税を専門にしている税理士の先生へ依頼することをお勧めします。
相続税は遺産分割の方法や財産の評価方法により税額が大きく変動しますし、両親の1次相続と2次相続をトータルでシミュレーションして相続税が軽減する申告をする必要があります。
また、親の事業を承継する場合には税務署への申請書類などが更に複雑で、書類の不備により不利益を被るリスクもあります。法人事業の場合、自社株(取引相場のない株式)の評価も必要になります。
【入門】相続税申告に必要な関係書類一覧③(公共機関等編)
相続税法実務編
こんにちは。FPおじさんです。(^^♪
前回に続き、相続税申告に必要な関係書類について解説していきます。今回は、公共機関等(市区町村役場や法務局など)で収集する関係書類について解説していきます。ちなみに、専門家である司法書士や行政書士の先生へ依頼すれば面倒な手間はかかりません。
〈市区町村役場で収集する関係書類〉
〈法務局で収集する関係書類〉
- 登記簿謄本(登記事項証明書)
なお、登記簿謄本(登記事項証明書)は、区分所有マンション(分譲マンションの一室)や不動産を共有していた場合、その財産を評価する際に必要となります。
- 法定相続情報一覧図(写)
なお、作成・取得は任意ですが、作成しておくと相続手続きの書類収集が楽になりますので、個人的には作成をお勧めいたします。
〈私的年金に関して収集する書類〉
なお、公的年金(国民年金・厚生年金など)の未支給金額については、相続税は非課税になります。ちなみに、老齢年金については相続人の一時所得として所得税が課税され、遺族年金・寡婦年金については、所得税も非課税になります。
〈老人ホームで収集する書類〉
- 入居一時金の返還金がある場合の支払通知書
以上、上記は必要に応じて収集していただく書類になります。次回は、「金融機関編」として銀行・証券会社・保険会社で取集する関係書類を解説していきます。
【入門】相続税申告に必要な関係書類一覧②(自宅編)
相続税法実務編
こんにちは。FPおじさんです。(^^♪
前回に続き、相続税申告に必要な関係書類について解説していきます。今回は債務(マイナスの財産)についての関係書類になります。なお、葬式費用についても相続税の計算上、控除の対象になります。ご参考になれば幸いです。
〈借入金の関係書類〉
- 住宅ローン借入金の残高証明書
- 金銭消費貸借契約書(個人間の借入金)
なお、住宅ローン借入時に団体信用生命保険に加入している場合、その保険金で住宅ローンが完済されますので相続税の計算上、控除できませんのでご注意ください。
〈未払金(税金)の関係書類〉
- 固定資産税の通知書
- 住民税の通知書
〈未払金(医療費・老人ホーム)の関係書類〉
- 病院からの請求書(生前の未払金)
- 老人ホームからの請求書(生前の未払金)
〈未払金(公共料金)の関係書類〉
- 水道代・ガス代・電話代の請求書(生前の未払金)
- 携帯料金・インターネット料金などの請求書(生前の未払金)
〈葬式費用の関係書類〉
- 葬儀会社からの請求書(領収書)
- 火葬にかかる費用の領収書
- 納骨費用の領収書
- お布施・戒名料・心付け(メモ書きでも可)
なお、初七日法要・四十九日法要の費用、相続後に購入した仏壇・墓地に関する費用は相続税の計算上、控除できませんのでご注意ください。
〈その他の関係書類〉
以上、次回以降「公共機関等編」として市区町村役場や法務局などで取集する関係書類、「金融機関編」として銀行・証券会社・保険会社で取集する関係書類を解説していきます。
【入門】相続税申告に必要な関係書類一覧①(自宅編)
相続税法実務編
こんにちは。FPおじさんです。(^^♪
9月に入り少しづつ秋らしくなってきました。歳を重ねるごとに食事の量が減ってきてますが、この時期になると大好きなラーメンが無性に食べたくなりますね。FPおじさんは、「天一のこってり」が大好きです。(笑)
さて、今回は相続税申告にはどのような関係書類を集めればよいのか教えて欲しいとリクエストがありましたので、ブログで解説していきます。先ずはご自宅にあると思われる関係書類を一覧しますのでご参照ください。
〈預貯金・有価証券の関係書類〉
- 預貯金通帳(過去3年~5年分)
- 証券会社から届く「取引残高報告書」
- 証券会社から届く「上場株式配当等支払通知書」
- 出資金を支払った際に受け取る「出資証券」
〈不動産の関係書類〉
- 土地・家屋の固定資産税通知書(課税明細書)
- 不動産の賃貸借契約書
- 土地家屋の権利書
- 地積測量図(実測図)
- 建物図面・平面図
〈保険金・退職金の関係書類〉
- 死亡保険金の保険証券
- 死亡保険の保険料控除証明書
- 死亡退職金の支払明細書
〈その他財産の関係書類〉
- 自動車の車検証
- 固定電話の契約資料(電話加入権)
- 書画・骨董品・貴金属・宝石の鑑定書
- ゴルフ会員権の証書
- 金地金の納品書(計算書)
- 金銭消費貸借契約書(個人間の貸付金)
- 確定申告書類(会社への社長貸付金)
〈事業用財産の関係書類〉
- 確定申告書類(過去3年分)
〈未収金の関係書類〉
- 死亡後に振り込まれた給与(通帳で確認)
- 死亡後に振り込まれた地代・家賃(通帳で確認)
〈還付金の関係書類〉
〈過誤納金還付通知書〉
〈贈与税の関係書類〉
- 贈与税申告書(控)
- 贈与契約書
- 相続時精算課税選択届出書(控)
〈小規模宅地等特例の関係書類〉
- 老人ホーム入居時の申込書
- 介護保険の被保険者証
〈相続人の中に障がい者の方がいる場合〉
- 障がい者手帳
以上、今回は財産(プラスの財産)に関する書類について解説しました。上記の関係書類は、必要に応じて収集していただければ結構です。次回は債務(マイナスの財産)について解説していきます。
【入門】初めての相続手続きマニュアル⑤
相続法実務編
こんにちは。FPおじさんです。(^^♪
前回に続き、複雑な相続手続きを時系列に分かり易く、かつ実務で活用できるように配慮して解説いたします。今回は、相続から4ヵ月以内に行っていただく手続きと相続から10ヵ月以内に行っていただく手続きになります。
〈相続から4ヵ月以内の手続き〉
- 準確定申告・納付の判断・・・税理士へ相談
年の中途で死亡した人の場合、相続人(包括受遺者を含む)が1月1日から死亡した日までに確定した所得金額および税額を計算して、所得税の申告と納税(被相続人住所地の所轄税務署)をしなければなりません。詳細は、下記リンク先のブログをご参照ください。【準確定申告】納税者が死亡したときの確定申告 - FP1級おじさんの日記
〈相続から10ヵ月以内の手続き〉
(相続税申告・納付の判断)
正味財産(財産-債務)が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えると相続税の申告・納付が必要になります。詳細は、下記リンク先のブログをご参照ください。人生を豊かにする相続入門⑩ - FP1級おじさんの日記
(遺産分割協議書の作成)
相続税課税の有無にかかわらず、遺産分割協議書は作成しなければなりません。なお、遺産(財産・債務)が漏れなく記載されている場合、遺言書で代用は可能です。詳細は、下記リンク先のブログをご参照ください。人生を豊かにする相続入門⑤ - FP1級おじさんの日記
(名義変更の手続き)
不動産の相続登記は複雑なため司法書士の先生へ依頼することをお勧めいたします。なお、預貯金や金融商品の手続きは各金融機関で異なりますが、詳細は、下記リンク先のブログをご参照ください。人生を豊かにする相続入門② - FP1級おじさんの日記
以上、相続手続きを初めて行う方の参考になるよう解説しましたが、ザックリとご理解いただけましたでしょうか。事前に相続全体の流れを時系列に理解しておけば慌てる必要はないと思います。(備えあれば患いなし)
超高齢社会の日本において、相続問題がこれからより深刻になってくると思います。ご家族の絆を未来永劫つないでいくために是非、この機会を利用して皆さんお元気なうちに相続対策を始めていただければ幸です。(合掌)
【入門】初めての相続手続きマニュアル④
相続法実務編
こんにちは。FPおじさんです。(^^♪
前回に続き、複雑な相続手続きを時系列に分かり易く、かつ実務で活用できるように配慮して解説いたします。今回は、四十九日までに行っていただく手続きと相続から3ヵ月以内に行っていただく手続きになります。
〈四十九日までの手続き〉
- 公共料金などの名義変更手続き・・・利用サービス会社へ連絡
- クレジットカードの解約・・・利用サービス会社へ連絡
なお、クレジットカードは規約により名義変更できませんので、解約手続きを行います。ただし、公共料金(電気・ガス・水道)などをクレジットカード払いされている方は、先に公共料金などの名義変更手続きを行った後、解約してください。
〈相続から3ヵ月以内の手続き〉
(遺言書の捜索)
なお、公正証書遺言の場合、「原本」は公証役場へ保管されていますが、「正本」と「謄本」は貸金庫や自宅へ保管されていると思います。第三者の偽造などの可能性が無いため家庭裁判所で検認を受ける必要はありません。
また、自筆証書遺言の場合、自宅へ保管されているときは開封せずに家庭裁判所へ持参して検認を受けてください。万が一、開封したときは5万円以下の過料に処せられることがあります。(開封しても無効にはなりません)
ちなみに、新設された保管制度を利用しているときは法務局で受け取ることになりますが、第三者の偽造などの可能性が無いため家庭裁判所で検認を受ける必要はありません。この場合、遺言作成者が受け取った保管証に記載された保管番号が必要です。
上記より、遺言作成者はご家族へどちらの遺言書を作成したのかをしっかりと伝えておくことが必要になります。遺言書があれば遺産分割協議の内容が大きく変わりますので注意が必要です。(相続税にも大きく影響します)
(財産・債務の把握・相続放棄の判断)
財産(プラスの財産)・債務(マイナスの財産)の把握を行い、財産より債務が多い場合には家庭裁判所へ相続放棄の申し立て(申述)を行うことができます。この申述は、相続開始から3ヵ月以内に行う必要があります。
ちなみに、相続放棄とは、財産・債務の全てを放棄するという意思表示になります。3ヵ月を経過すると自動的に単純承認(相続する意思表示)したものとみなされますので相続放棄できませんからご注意ください。
【入門】初めての相続手続きマニュアル③
相続法実務編
こんにちは。FPおじさんです。(^^♪
前回に続き、複雑な相続手続きを時系列に分かり易く、かつ実務で活用できるように配慮して解説いたします。今回は、葬儀後すぐに行っていただく手続きになります。
〈葬儀後すぐの手続き〉
- 年金受給者死亡届の提出・・・年金事務所へ提出
- 世帯主変更届の提出・・・市区町村役場へ提出
- 公的医療保険に関する届出・・・加入している制度により異なる
- 公的介護保険に関する届出・・・通常、死亡届の提出で資格が喪失
(年金受給者死亡届の提出)
なお、年金受給者死亡届出書、年金証書の他、死亡の事実が分かる書類のコピー(死亡診断書・住民票除票など)をご準備ください。ちなみに、マイナンバーと基礎年金番号の紐づけを行っている場合は不要です。
(世帯主変更届の提出)
- 世帯主変更届の提出・・・死亡後14日以内に市区町村役場
なお、新しく世帯主になられる方の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)をご持参ください。同一世帯の方が届出をおこなうこともできます。ちなみに、次の世帯主がいない場合、次の世帯主が明確な場合(妻または夫のみ・子が未成年者のとき)は届出は不要です。
(公的医療保険に関する届出)
なお、国民健康保険へ加入していた場合、家族の保険証(世帯主欄)を変更しなければなりませんので、世帯全員の保険証を死亡届を提出する際にご持参ください。
また、健康保険へ加入していた場合、扶養家族も資格を喪失しますので国民健康保険への切り替えや他の家族の扶養に入る手続が必要になります。
(公的介護保険に関する届出)
- 介護保険へ加入・・・原則、不要(死亡届の提出により資格喪失)
以上、上記の市区町村役場で行う手続きについては、各自治体により異なりますので事前の確認をよろしくお願いします。ちなみに、各種手続きについて専門家(社会保険労務士・行政書士など)へ依頼することも可能です。