FP1級おじさんの日記

税理士を目指すFPおじさんの奮闘記

【超注目】はじめての家族信託入門⑤

家族信託編

こんにちは。FPおじさんです。(^^♪

 

前回につづき、「家族信託」について解説していきます。信託法をベースにしているため法律用語が出てきますが、なるべく平易な言葉を使い少しずつ解説して行きますので、最後までご愛読いただければ幸いに存じます。

 

今回は、家族信託の対象となる財産(信託財産)について、「賃貸不動産」オーナーに注意していただきたい「信託財産責任負担債務」を解説します。言葉は難しいですが、要は金融機関からの借入金(アパートローンなど)です。

 

〈信託財産責任負担債務〉信託法21条①三

賃貸事業を始めるために、所有していた土地抵当権を設定し、金融機関から融資を受けて賃貸物件を建築(賃貸建物にも抵当権を設定)する地主様は多いと思います。

 

土地・賃貸建物とセットで債務受託者が管理できないと、委託者が債務を管理することになりとても不便です。そのため、信託前に委託者に生じた債権は、その債権に係る債務を「信託財産責任負担債務」として信託行為に定めることで、受託者が債務を返済することができます。ただ、事前に金融機関と交渉する必要があります。

 

ところで、債務の責任財産は信託財産のみという誤解が生じやすいのですが、信託財産で返済できない状況(信託財産をすべて引き当てても足りない)が生じたときには、責任財産受託者の固有の財産にも及びます。受託者は債務についても大きな責任を負っており、十分理解しておく必要があります。

 

以上、次回も「家族信託」の仕組み、活用法、税務などをブログ講義して行きます。相続対策は、早ければ早いほど効果を発揮しますので、先ずは基礎的な知識をつけていただければ幸いに存じます。

 

出典:家族信託を活用するための基本と応用(大阪・奈良税理士共同組合著)