FP1級おじさんの日記

税理士を目指すFPおじさんの奮闘記

【超注目】はじめての家族信託入門④

家族信託編

こんにちは。FPおじさんです。(^^♪

 

前回につづき、「家族信託」について解説していきます。信託法をベースにしているため法律用語が出てきますが、なるべく平易な言葉を使い少しずつ解説して行きますので、最後までご愛読いただければ幸いに存じます。

 

今回は、家族信託の対象となる財産(信託財産)について、少し詳細に解説したいと思います。実務上は、「賃貸不動産」や「自社株」が主な信託財産になっています。

 

〈信託財産〉信託法2条③

信託財産とは、受託者に属する財産で、信託により管理または処分すべき「一切の財産のことをいいます。受託者に属する財産とは、委託者が所有していた財産で、その財産について委託者がある目的を実現したいと思い、信託を利用することとし受託者へ移転させた財産のことをいいます。

 

上記に「一切の財産」とありますので、金融資産不動産動産債権知的財産権などすべての資産が信託財産になります。一方、一身専属的な財産である年金受給権や法律により譲渡が禁止されている預金債権などは信託財産になりません。さらには、「債務」も信託財産にすることはできません。

 

ところで、所有権が移転した信託財産ですが、受託者は自身の固有の財産と「分別管理」しなければなりません。そして、受託者は、信託財産であることを三者に対抗するため、登記登録が必要な財産についてはその手続きを行う必要があります。

 

(不動産の場合)

その不動産について、信託を原因とする受託者への所有権移転と、その不動産が信託財産であることの信託の登記受託者が行わなければなりません。

 

(自社株の場合)

その自社株について、その株式の株主が受託者であることと、その株式が信託財産であることを株主名簿に記載するように、株式発行会社へ求める手続きを受託者が行わなければなりません。

 

以上、次回も「家族信託」の仕組み、活用法、税務などをブログ講義して行きます。相続対策は、早ければ早いほど効果を発揮しますので、先ずは基礎的な知識をつけていただければ幸いに存じます。

 

出典:家族信託を活用するための基本と応用(大阪・奈良税理士共同組合著)