家族信託編
こんにちは。FPおじさんです。(^^♪
前回につづき、「家族信託」について解説していきます。信託法をベースにしているため法律用語が出てきますが、なるべく平易な言葉を使い少しずつ解説して行きますので、最後までご愛読いただければ幸いに存じます。
家族信託では、信託期間中に委託者・受託者・受益者が亡くなることがあると思います。それぞれの方が亡くなったとき、信託はどうなるのでしょうか?
〈委託者がなくなったとき〉
家族信託では、委託者が信託期間中に亡くなると、委託者の相続人は委託者の地位を相続により承継します。この場合、信託を開始した人ではない委託者の相続人が委託者の地位を承継すると、その運営が非常に面倒なことになるリスクがあります。
したがって、「委託者が死亡したときは委託者の地位は受益者へ移転し、委託者の権利は消滅する。」と信託契約に定め委託者の相続人が委託者の地位を承継して信託に関与しないようにするのがベストです。
〈受託者がなくなったとき〉
受託者である個人が死亡すると受託者の任務は終了します。受託者が不存在になると信託は続きません。そのため家族信託では、信託契約に受託者が死亡した場合に備えて次の受託者(事前に承諾をとっておく)を指定しておきます。
万が一、指定されていた受託者が就任しない場合、委託者および受益者の合意により次の受託者を選任します。合意がまとまらない場合には、裁判所へ申し立てて裁判所が受託者を選任します。
〈受益者がなくなったとき〉
信託契約に次の受益者の指定がなければ、受益権は相続財産になり受益者の相続人が相続することになります。相続の際のトラブルを防ぐために、信託契約に次の受益者を定めておくのがベストです。このように次の受益者が契約書に記載されている信託のことを「受益者連続型信託」といいます。
以上、次回も「家族信託」の仕組み、活用法、税務などをブログ講義して行きます。相続対策は、早ければ早いほど効果を発揮しますので、先ずは基礎的な知識をつけていただければ幸いに存じます。
出典:家族信託を活用するための基本と応用(大阪・奈良税理士共同組合著)